日本の隠れたワイン産地「山形」

ハウツー

山形」と聞いてサクランボなどのフルーツのイメージはすぐに浮かびますが、ワインを思い浮かべる人はまだ少ないかもしれません。

実は、山形県はブドウの生産量で見ると山梨県、長野県に続き第三位という、ブドウにとって非常に恵まれた風土を持っています。

そして、東北初のGI制度(地理的表示)を受け、ワイン産地GI「山形」として、今まさに注目を浴びて成長を続けるエリアです。

そんな「山形ワイン」についてご今回は、紹介していきたいと思います。

「山形」の地理的特徴

山形県は日本海に面した東北地方の一角で、県の面積では全国9位の大きさを誇る県です。

県の東部には奥羽山脈が南北に連なり、その山脈と並行するように県の中央に出羽丘陵、朝日山地が連なります。

内陸部は山と山に囲まれた盆地が広がっており、特にブドウ栽培が盛んなのはこの盆地が広がる南東部のエリアです。

この最上川流域に広がるブドウ栽培のエリアは、土壌の水はけもよく、凝縮したブドウを栽培するのに最適な土壌でした。

日本海に近いこともあり、雪のイメージが強いですが、盆地のため夏は気温が高くなりやすく、実は東北地方で40℃以上の最高気温の記録を持つのは山形だけです。

そんな寒冷にもかかわらず、一方で十分な暑さを持つ内陸性の気候は、しっかりとした寒暖差を生み出し、良質なブドウ栽培につながっています。

「山形ワイン」の特徴

山形ワインの主力のブドウ品種は「デラウェア」と「マスカット・ベーリーA」

デラウェアは、生食用としても古くから親しまれている品種で、日本人ならおそらく一度は口にしたことがあるはず。

なんと、山形はそのデラウェアの生産量で日本一です。

そんな地元に根付いたブドウを使って作られる白ワインは、フレッシュな果実の味わいとさわやかな酸味を楽しむことができます。

ちなみに、通常私たちが口にするデラウェアは種なしのブドウ(栽培時に手を入れることで種なしになります)

ワイン用にする場合、生食用とは分けて、種ありの状態で栽培するなど、より醸造に適した栽培を進めることでクオリティを高める努力を続けています。

また、近年はヨーロッパ系品種のシャルドネやメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの栽培も増えてきており、この山形では非常にバリエーション豊かなワインを生み出してくれています。

そんな山形ワインのクオリティは年々向上しており、国際ワインコンクールで受賞するワインなども生み出されています。

まとめ

冷涼な東北地方の中で、ブドウ栽培に最適な日照時間や昼夜の寒暖差という地理的特徴を持った、隠れたワインの産地「山形」。

日本一の生産量を誇るデラウェアをはじめとして、マスカット・ベーリーA、年々クオリティを高めているヨーロッパ系品種など、生産者たちの努力が今まさに結果となって数多くのワインを生み出しています。

2008年の洞爺湖サミットでは、オープニングの乾杯ワインに、この山形のスパークリングワインが選ばれるなど、その品質は世界クラスにも匹敵します。

今後はもっと注目を浴びるエリアになることは間違いなしのこの「山形」ワインを、ぜひ食事のお供にしてみませんか。

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