甘いものと日本酒!?
日本酒は、塩辛など、塩味が強いものと合わせるもの…
そういったイメージを持っている方が多いと思います。
以前別の記事でも、
人間の味覚には五味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)があり、
日本酒には塩味がないから、それを補う意味で、
塩味が強いものを合わせるといい、とご紹介しました。
ペアリングで言う「補完」の考え方ですね。
ペアリングの基本的な考え方には「同調」というものもあり、
言わば「目には目を歯には歯を」というもの。
同じ要素を持つものは相性がよく高め合うのです。
さて、では「同調」の視点で見てみると、
日本酒と和菓子の相性はどうなのでしょうか?
同じ「和」の要素を持っています。
和菓子は季節感を大切にします。
凝ったデザインのものが多いですよね。
日本酒も季節によって新酒、春酒、夏酒、ひやおろしなど、
季節感のあるお酒なので、雰囲気が合うでしょう。
日本酒は米から造られたお酒なので、
同じく米で造られたお餅などと合いそうです。
ごはんにごましおをかけるとおいしいように、
ごまを使った和菓子にも合うかもしれません。
日本酒によっては甘味が強いものがあるので、
そういったものと、あんこや羊羹などとは相性がよさそうですね。
逆に、和菓子は酸味のあるものが少ないので、
酸味の強い日本酒と合わせる際は注意が必要でしょう。
どうでしょう?
このように考えていくと、和菓子と日本酒の組み合わせは、
可能性に溢れていると思いませんか?
実際、羊羹の有名店「虎屋」さんと、
富山の地酒「満寿泉」で有名な桝田酒造さんで、
ペアリングイベントを開催したりもしています。
双方のプロ同士が認め合った組み合わせ…
消費者としては、和菓子×日本酒のペアリングに信頼感が増しますね。
双方の今後の活動の期待です。
日本酒に合わせやすい和菓子とは!?
前項でいろいろと説明してきましたが、
じゃあ結局どうすればいいの?とお思いのアナタ!(笑)
筆者おススメの組み合わせを2つ紹介したいと思います。
「豆大福×本醸造酒」
豆は少しだけ塩味がありますよね。
これが日本酒の味を引き立てます。
さらに、餅と日本酒は米で造られているもの同士です。
本醸造酒はスッキリとしたものを合わせてみてください。
できれば酸味が少なめなお酒がいいです。
日本酒の裏ラベルに酸度が記載されている場合は、
「1.3以下」を目安にしてもらえるといいと思います。
余談ですが、いちご大福など、フルーツが入ったものならば、
酸味があるお酒とも合います。
「みたらし団子×純米酒」
豆大福と同じく、塩味があり、団子と日本酒は米同士。
今度は、醤油ダレの旨味やコクがありますので、
同じ要素を持った純米酒と合わせましょう。
なお、吟醸香とはあまり相性がよくありませんので、
純米吟醸などではなく、純米酒を選びましょう。
お酒を冷やしすぎると、口の中で団子が固くなってしまうので、
常温~ぬる燗程度がおススメ。
まとめ
和菓子と日本酒は、一部ファンの間では定番となっているものの、
まだまだ一般的ではありません。
甘いものが好きな女性の方や、
新しいペアリングを探している方に、ぜひおススメしたい組み合わせです。
高い和菓子と高い日本酒を合わせる必要はありません。
正直、スーパーで買えるくらいの価格帯でも十分に楽しめます。
季節はこれから春を迎えます。
日本酒も和菓子も季節を楽しむもの。
春らしい酒器を用意して、
春酒とお団子で「大人のお花見」など、素敵だと思いませんか?
また、花が見える公園のベンチに腰掛けながら、
カップ酒と和菓子で景色を愛でる…
そんな楽しみ方もアリだと思います。
ぜひ試してみてくださいね!
▼こちらの記事もあわせてどうぞ
文‐進藤裕司@唎酒師
コメント