梅雨が始まるころから、日本では一気に気温も急上昇します。
ワインはとても繊細な飲み物で、もともとヨーロッパでは、「カーヴ」と呼ばれる地下の倉庫や洞窟のような自然の保管スペースをワイン保存として使っていました。
国内でも、「勝沼トンネルワインカーヴ」という、昔の鉄道トンネルを再利用したような場所もあるのですが、さすがにご自宅近くにそんな環境をお持ちの方はまずいないと思います。
夏場のワイン管理はどうするのがいいのでしょうか?
ここでは、そんな「夏場のワインの管理」についてご紹介します。
実は困っていた…という方のご参考になればと思います。
おすすめのワイン保存法
保存法の前に、保管としてまず一番避けるべきは、直射日光の当たるスペース。
おしゃれなレストランでよくディスプレイ用に窓際にボトルを置いている店もありますが、基本的にワインの保存という意味では決して良いとは言えない保存方法です。
実はワインは日光や光に含まれる紫外線によって、中身が変質します。
味が変わってしまったり、香りが弱くなったり、不快な香りが出たりしてしまいます。
また、特に夏場の直射日光などにより、中身が高温になってしまうと、コルクの隙間から吹きこぼれたり、酸化が進んで味が大きく劣化してしまいます。
一般家庭で保存を考えるなら、まずは冷蔵庫に入れましょう。
しかし、そんな冷蔵庫も、頻繁にドアの開け閉めがあるために温度変化も大きく、また開け閉めの際の振動もワインにとっては大敵。
そして、冷蔵庫は庫内が乾燥しやすく、コルクが乾燥して隙間ができてしまうなどの問題も考えられます。
そのため、大事なワインを保存するようなときは、冷蔵庫のドアポケットなどに保存するのではなく、軽く新聞紙などで包んで、野菜室に保存すると確実です。
なお、温度はワインの味に直接影響を与えてしまいます。
冷えすぎたワインは、香りもたちにくく酸味がより際立ち、本来のポテンシャルとは味わいが異なってしまいます。
夏場はボトルを冷蔵庫から取り出してすぐには手を付けず、数分~20分ほど常温においてから飲み始めると良いでしょう。
ワインセラーを使ってみよう
ワインの初心者を卒業したと感じた方は、冷蔵庫ではなく、ぜひワインセラーの購入を検討してみてください。
ワインセラーはお店でしか使われないもの・・・というイメージから、ここ10年、いっきにワインセラーも一般家庭向きになってきました。
ワインセラーの種類
リビングルームなどにも置ける15-30本タイプなどは、ワインの保存だけではなくインテリアとしても使えるような、比較的安価でコンパクト、デザイン性も高いワインセラーが続々と登場しています。
ワインセラーを選ぶ際に、まず気になるのが極端な値段の差です。1万円台から数十万円まで非常に幅広いラインナップが揃っています。
これは、保管本数の大小に加えて、冷却方式の違いが大きく影響してきます。
ワインセラーの冷却方式は、ペルチェ方式とコンプレッサー方式の大きく2つです。
ペルチェ方式のワインセラーは非常に値段が安価でお手軽です。
ただし、冷却能力はやや低いので、日本の夏場に希望の温度にするのは少しパワーが不足することも。
しかし、ワインを一定の温度感で保存する、ということであればこれで十分。
コンパクトなものも多く、機械の音もほとんどしないので、どんな場所にも設置することができると思います。
コンプレッサー方式はいわゆる冷蔵庫と同じような仕組みのため、値段は高くなりますが、しっかり冷やすことが可能です。
高級なモデルは湿度の管理もできるため、まるで本物のカーヴのように完璧な温度と湿度の保存環境でワインを熟成させることも可能です。
強いて言うと冷蔵庫のように少し起動音が出てしまいますが、リビングに置くのであれば気にしないで済むレベルがほとんどです。
まとめ
非常に暑い日本の夏にワインを保存するのは大変です。
初心者を卒業して、もっといろんなワインを楽しみたい、と思ったら、きっとワインセラーを検討するタイミングかもしれません。
初めてセラーを検討する方は、まずはペルチェ方式で10本以上収納できるワインセラーを選ぶのとよいでしょう。
10本もいらない、と思っていても、ワインセラーがあると知らないうちにストック本数が増えてきます。
6本~15本程度はそれほど値段差もないことが多いので、少し本数の余裕を持たせて選びましょう。
毎日の食事に「どれを一緒に飲もう」と選ぶ楽しみを知ったら、ますますワインが好きになること間違いなしです。
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