「ハンガリー」と聞いて、すぐにワインのイメージができる人はまだまだ少ないと思います。
実はハンガリーのワインは、世界三大〇〇ワインのひとつにも上げられる、世界でも素晴らしいワインを作る生産地です。(〇〇に入る言葉はこの後解説しますね)
今回は、ハンガリーという国の位置や特徴からわいんについてご紹介していくので、ぜひ世界を旅する気分をもって読み進めてみてください。
新しいワインライフの一つの知識となればと思います。
1.ハンガリーってどんな国?
ハンガリーは、西にオーストリア、東や南にウクライナ、ルーマニア、クロアチアなど東欧諸国に囲まれたヨーロッパの中央に位置する国のひとつです。
北海道よりも北に位置する国のため寒いエリアではあるのですが、日本と同じように四季があり、それでいて四方が陸地の海の無いエリアになるので降水量は少なく、非常に乾燥しています。
この典型的な大陸性気候の特徴により、朝晩の気温差が大きく、ブドウの成熟に適した環境を作り出してくれています。
2.ハンガリーワインと言えば・・・
ハンガリーの最も有名な生産地と言えば、「トカイ」です。
ここはティサ川とボドログ川という二つの川が合流するエリアになっており、この川の合流地点という水温の微妙な違いと大陸性気候よる朝晩の寒暖差で、特に季節の変わる秋には非常に濃い霧が発生するエリアです。
実はワインにこの霧が重要な要素。
この濃い霧は、秋の熟したブドウに湿気を与え、さらにはこの湿気に貴腐菌と呼ばれるカビの一種が付着します。
熟したブドウにこの貴腐菌が付着すると、この菌がブドウの皮にいくつもの小さな穴をあけ、やがて水分が蒸発します。
水分がどんどん蒸発したブドウは、まるで干しブドウのような状態で樹に垂れ下がるのです。
この非常に凝縮されたブドウから作られるワイン、それが貴腐ワインと呼ばれる、きわめて糖度の高い甘口ワインとなります。
このハンガリーのトカイワインは、世界三大貴腐ワインのひとつにも数えらています。
3.ハンガリーのトカイワインの楽しみ
トカイワインを生み出すブドウの品種は、主にはフルミントと呼ばれる、白ブドウの一種。
成熟が遅く、貴腐菌が付きやすいため、まさにこの貴腐ワインにもってこいの品種。
高い酸と糖度により、非常にボリューム感のあるワインに。
この濃厚な甘口ワインは、高級なレストランでは食後のデザートと一緒に、もしくはデザートの代わりとして楽しまれています。
このトカイワインはまさにデザートワインとして、やや冷たいと感じるほど冷やして飲むと、酸味が際立ち、それでいて凝縮した甘みをすっきりと楽しむことができます。
そもそも冷やして飲む必要があるため抜栓後も冷蔵庫で保管しておけば、ワインの酸化速度も下がり、また糖度の高さも風味を長持ちさせてくれる要素になるため、1-2週間程度であれば問題なく楽しめます。
一度トカイワインのボトルを手にすれば、毎晩の食事後の締めが非常に豊かになるでしょう。
4.まとめ
ハンガリーワインの中で最も有名なトカイワインについて紹介しましたが、実はハンガリーでは赤ワイン、特にエグリ・ビカベールという品種も知られています。
「雄牛の血」と呼ばれる、中世、領主が兵士にワインを振る舞ったら、牛の生き血を飲んでると勘違いして、戦争中だった相手の強国が撤退したという逸話を持つ、伝統的なワインです。
世界三大貴腐ワインのトカイワインを入り口に、ぜひハンガリーの歴史をたどるワインへの挑戦をしてみてはいかがでしょうか。
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