コンビニやお店でほぼ間違いなく置いてあるチリのワイン。
実は日本においては、ワインの輸入量第一位なのがチリなんです。
2007年、日本とチリの間にEPA(経済連携協定)が発効され、2019年以降はチリから輸入されるワインには関税がかかっていません。
通常、関税によって、価格の15%もしくは125円(1Lあたり)のいずれか低いほうが適用されます。
もともとお手軽な価格のものが多かったチリワインでは、この100円ちょっとの金額差が全体価格に占める割合が高く、この関税撤廃はまさにコスパ最強のチリワイン躍進の追い風になったことは間違いありません。
そのため、チリのワインを見かけることが多く、また買ってみたら実はチリのワインだったことも少なくなはず。
ここでは、そんな日本で人気のコスパ最強【チリワイン】の魅力について解説していきます。
ご参考に、改めて「チリワイン」という認識でワインを楽しむ一つのきっかけになればと思います。
そもそもチリってどこにある?
まずは、チリの全体像を簡単にご紹介します。
チリは南アメリカ大陸の太平洋側に面して南北約4,300km(日本は南北約3,000km)にも及ぶ、細長い特徴的な形をした国です。
北部は赤道にも近く、アカタマ砂漠に代表されるような乾燥した大地が続き、南部はペンギンなども生息する自然豊かな寒冷地が広がります。
そんな幅広い表情を持った土地は、ブドウ栽培に適した気候の範囲とも見事に重なっており、一年を通した日照時間の長さと、東に抱えるアンデス山脈など起伏のある地形や風の影響によるしっかりした気温差もあって、ワイン用ブドウ栽培にとって最適な条件がそろっている国のひとつです。
チリワインの特徴は?
チリワインの特徴は、なんといってもしっかりとした果実味です。
チリはヨーロッパなどに比べて雨量が少なく、日照時間が長いため、ブドウは太陽の光を十分に浴びて育つことができます。
イギリスの調査機関が調べたところ、チリのブドウはポリフェノールが最も多かったそうです。
それくらい日光をたっぷり浴びたブドウは、しっかりと完熟を迎え、さらにアンデス山脈から風が吹きおろし土地も乾燥しているので、余分な水分の影響を受けることもなく、非常に濃縮されたブドウが生まれやすいのです。
そのため、チリのワインの多くは、このしっかりした果実味とその濃縮感などを感じることができます。
チリワインの代表的な品種
チリは気候もブドウ栽培に適しているため、非常に多くのブドウ品種が栽培されていますが、その中でも特に「カベルネ・ソーヴィニヨン」は代表的な品種と言えるでしょう。
カシスやブラックベリーなど黒系果実の味わいとしっかりとしたタンニンを楽しむことができます。
また、「カルメネール」と呼ばれるヨーロッパから持ち込まれた品種が、本家ヨーロッパでは害虫の被害で今は姿を消しているのですが、このチリの土地でまさに固有品種として栽培をされています。
このカルメネールは、ブラックベリーなどの果実に加えてコーヒーやビターチョコのような苦みを楽しむことができ、チリワインの深さを感じることができます。
まとめ
ワイン用ブドウの栽培に最適な国チリは、確かにお手軽なワインが多い一方で、そのブドウのクオリティを余すことなく引き出した、素晴らしいハイクオリティワインも続々と誕生しています。
フランスの格付1級を有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社が現地有名企業とコラボしたチリ最高峰ワイン「アルマヴィーヴァ」や、スペインの老舗ワイナリーがチリに立ち上げたミゲル・トーレスなど、世界の名だたるワイナリーがどんどん進出しています。
家で飲むときはコスパ最強のチリワインを楽しみつつ、少し高級なレストランやバーに入ったときは、ぜひクオリティの高いチリワインにも挑戦してみてはいかがでしょうか
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