最近テレビや雑誌、様々なメディアの露出もあって、「日本ワイン」を聞いたことがない、と感じる人は少ないと思います。
ワインブームで盛り上がる日本では、
ワインの消費だけでなく、ワイナリーを直接訪れる観光ツアーが開催されていたり、
また自らワイナリーを立ち上げる人がいたり、とまさに国内総ワインブームです。
今回は、そんな「日本ワインの魅力」について簡単にですが解説していきます。
まずは「日本ワイン」ってどんなワインの知識の入り口として、
またこれから飲んでみようと思っていた方の基礎知識として、
ご参考になればとお思います。
「日本ワイン」ってどんなワイン?
まず、日本ワインと言っているぐらいなので、日本がワインに適している気候風土なのか?というところから。
実は日本の気候風土は広く言うと温暖湿潤。
雨も多く、夏になると頻繁に台風が襲うこの日本において、ワインづくりは有名な産地であるヨーロッパ等に比べて、決して適しているとは言えません。
また、地中海や南半球のワインのように、強烈な日光によるぶどうの完熟さや力強い色付きは、なかなかこの日本では求めることは難しいといえます。
しかしながら、食用果物として知られるシャインマスカットや巨峰などにも代表されるように、果実としてのブドウの魅力は、この日本においても引き出すことは可能です。
そしてそれは、海外のブドウに比べて、その柔らかく繊細な味わいとして、
まるで日本の和食のように、
素材そのものを楽しむようなワインが多く生み出されている理由にもなっていると思います。
ところで、この「日本ワイン」という呼び方。
ここにも厳密なルールがあります。
一見すると「国産」といった呼び方でも良いように感じると思います。
実は、ワインの製造において、海外から原料となるブドウ果汁を輸入し製造するワインも、広い意味では国産とされてしまう状態でした。
そこで、より消費者が正しく原料や産地の情報をもとに商品を選べるようにするため、国内で栽培されたブドウのみを使用し、国内で醸造されたものを「日本ワイン」と呼ぶルールが国主導で定められました。
日本ワインの代表的な品種
数ある日本ワインの原料となる「ぶどう」
産地固有の品種である「土着品種」と呼ばれる日本のワイン用ぶどうをいくつかご紹介します。
甲州
まず最も世界に名前が知れ渡った代表的な品種といえば「甲州」。
白ワイン用のブドウ品種で、みずみずしい甘みの中にある酸味をしっかり引き出すことで、フレッシュな口当たりと柑橘系の香り、そして最後にほのかに残る苦みが、まさに日本人の味覚ともぴったり合います。
そしてその甲州の一大産地といえば、山梨県の勝沼。
山梨県には約80社ものワイナリーが高品質なワインを生み出そうと競い合い、多くの珠玉のワインがリリースされています。
マスカット・ベーリーA
日本人が開発した日本独自の赤ワイン用ブドウ品種、それがマスカット・ベーリーAです。
ストロベリーやキャンディーのような軽やかな甘い香りが特徴で、とってもフレッシュでフルーティーな味わいを楽しむことができます。
渋みやタンニンも穏やかなので、飲み疲れず、普段ワインをあまり飲みなれない方でも飲みやすい品種と言えます。
まだまだ活躍する日本ワイン
ここまで日本独自の品種を紹介してきましたが、世界で人気の有名なブドウ品種、メルローやシャルドネも日本で栽培されることが増えてきました。
日本の風土を反映してか、これらのメルローやシャルドネも、海外のワインに比べると、濃厚な果実味というよりは、やや柔らかい酸味やタンニン、口当たりの滑らかさを感じさせてくれます。
そして、ワインだけでなく、なんとワイナリーも世界で競うようになっています。
世界で素晴らしい体験ができるワイナリーを選出する「ワールド・ベスト・ヴィンヤード」において、長野県にあるシャトー・メルシャン椀子ワイナリーが選出されています。
もはや日本ワインは、ワインを楽しむだけでなく、観光としてワイナリーを楽しむこともできる世界で活躍できるコンテンツと言っても過言ではありません。
まとめ
今回は、日本ワインの入り口として、簡単にですが日本ワインの魅力をご紹介しました。
日本ワインは人気も品質も年々上がっています。
日本ならではの品種、甲州やマスカット・ベーリーA、そして世界でも人気の品種メルローやシャルドネなど、幅広い選択肢も魅力の一つ。
お店のメニューで見かけたら、まずは日本ワイン、から始めてみるのもいいでしょう。
そしてお気に入りの1本を見つけたら、少し足をのばしてワイナリーを訪れるなど、五感で楽しんでみるのもおすすめです。
▼こちらの記事も合わせてどうぞ
コメント