ポルトガルといえば、紀元前よりワインを作っていた国として非常に歴史あるワイン生産国です。
実はそんな長い歴史を持つポルトガルワインですが、古くから日本とつながりがあったことはご存じでしょうか?
今回は、知られているようで、まだすべては知らない、そんなポルトガルワインについてご紹介していきます。
ワインの入門編として新しいワインライフのご参考になればと思います。
ポルトガルはどんなところ?
スペインをさらに西、イベリア半島の端位置するポルトガル。
地中海性気候にあたるため、比較的年間を通して暖かい日が続きます。
すぐわきを寒流が流れていることもあり、夏はあまり暑くなりすぎず、それでいてカラッとして、朝晩は適度に温度が下がるというバランスの良い気候です。
南北に長い形をしているためか、北と南では降水量はやや異なり、また丘陵地帯の多い北部と平地の多い南部では、実際の気温は変化に富んでいます。
そのため、ポルトガルでは多様性のあるワインが作られています。
ポルトガルでよく知られたワインで真っ先に名前があがるのが、
「緑のワイン」こと「ヴィーニョ・ヴェルデ」と呼ばれる白ワイン。
次ではこの「緑のワイン」について簡単にご紹介したいと思います。
ポルトガルでもっとも有名な「緑のワイン」
「緑のワイン」と聞くと、思わず緑色を想像してしまいますが、決してそういう見た目を指したものではなく「若い」という意味です。
完熟前のブドウを使い、発酵途中で発生する発泡がすべて抜け切る前に瓶詰めをしてしまいます。
それにより、非常にフレッシュな果実味を残したまま、アルコール度数も低く、口当たりの良い微発泡を備えた白ワインが生み出されます。
レモンなど柑橘系のフレッシュな香りと軽やかな酸味は、海の近いポルトガルならではのシーフード料理とも相性も良く、青魚などもうまく合わせられます。
大航海時代を乗り越えた知恵。酒精強化ワイン
ポルトガルのもう一つの有名なワイン、それがポートワインやマディラワインで知られる
「酒精強化ワイン」と呼ばれるものです。
「酒精強化」とは、ワイン発酵の途中で、アルコール度数が非常に高いスピリッツなどを添加し、アルコール度数を高めて作られたワインのこと。
アルコールの使われ方から想像できる通り、アルコール度数が高いと、それだけ品質が安定し、保存性が高まります。
これにより、熟成期間を長くすることができ、独特の風味を持つように変化することができるようになりました。
このきっかけを作ったのが15世紀から17世紀にかけての大航海時代。
多くの冒険家のお供に、長い航海の中でもお酒がダメにならないように、保存性を高める取り組みとして生み出されました。
ポルトガルの※2大酒精強化ワインといえば「ポート」と「マディラ」。
これらは産地が異なるだけでなく、その作り方も異なっています。
ポートワインはワインの発酵中にブランデーを添加して作られ、やや甘口タイプのものが多く、じっくり熟成させることで独特の風味を楽しみます。
マディラワインは、アルコールを加えた後に高温状態に置くことで、独特の変化を促し、芳醇な香りが沸き上がります。
※本来、世界3大酒精強化ワインと言われることが多く、もう一つはスペインの「シェリー酒」がそれにあたります。
まとめ
冒頭にも記載していた通り、このポルトガルワインのことが日本の歴史に最初に登場するのは、安土桃山時代のことでした。
安土桃山時代に行われていた南蛮貿易を通じてポルトガルのワインが日本に持ち込まれていたようで、なんとあの有名な織田信長も飲んだと言われています。
ポルトガルで赤ワインを示すティント、の響きから「珍蛇(チンタ)酒」と呼ばれ、当時の歴史の書物にも名前を刻んだこのポルトガルワイン。
非常に古くから日本人の口に入っていたであろうこのポルトガルワインを、ぜひ歴史を感じながら楽しんでみてはいかがでしょうか。
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