食事をするだけで酸性に傾く?
基本、口の中の酸性度は、pH7程度の中性に保たれています。
それを食事や飲酒を続けることで、どんどん酸性に傾いていきます。
そうすると、酸味に対する刺激に慣れてしまい、お酒の味を正確に評価できなくなってしまいます。
例えば、レモンをかじると、飛び上がる程酸っぱく感じますが、二口目は、最初に比べて、酸っぱく感じなくなりますよね。
それと同じことが、実はお酒でも起こるのです。
今回は、そんなお酒の本来の味わいを楽しむための知識として、注意したい口の中の『酸性度』についてご紹介したいと思います。
酸性になった口の中は、唾液によって中和されて、中性に戻ります。
ですが、唾液の働きだけでなく、意識してアルカリ性の食品を摂取することが大切と言えるでしょう。
ちなみに、お水はpH7、炭酸水はpH5、
ビールやワイン、日本酒はpH4、レモンジュースはpH3程度です。
お酒を飲んでいると、口の中が酸性になっていくことがよく分かります。
ちびちびとちょっとずつ飲んだりすると、
唾液によって中和される暇がなく、口の中がずっと酸性に傾いたままになります。
口に長時間溜めず、すぐ飲み込むことも効果があります。
また、日本酒を飲んだ後にお水を飲めば、口の中をさっぱりさせるとともに、
口の中を中性に近づけることができます。
アルカリ性の食品とは?
お酒と合わせたい食材としていくつかアルカリ性の食品をご紹介します。
代表的なアルカリ性の食品は、以下のようなものです。
- トマト
- きゅうり
- にんじん
- ぬか漬け
- 梅干し
- 昆布などの海藻類
- 海塩
- オリーブオイル
この食品を参考に、おつまみを選べばいいでしょう。
塩をなめながら、日本酒を飲むのもよさそうですね。
お酒の味を際立たせるだけでなく、口内環境も整えてくれる、万能おつまみです。
ぬか漬けや梅干しといった、おなじみのおつまみもあります。
お酒はどんなときにおいしく感じるか?
そもそも、私たちはなぜお酒がおいしいと感じるのでしょうか。
味覚には、甘味、旨味、塩味、酸味、苦味の5つがあります。
本能的においしいと感じる成分(甘味、旨味、塩味)と、
有害と感じる成分(酸味、苦味)に分けられます。
例えば、日本酒の基本的な味は、糖分の甘味と、アミノ酸の旨味になります。
ですので、本能的においしく感じるのです。
一方、ビールの基本的な味は、苦味になります。
しかし、飲みなれた人はビールもおいしいと感じます。
本能的には有害で危険だと考えていながらも、
経験的にはこの苦味は安全であり、そのスリルや緊張を楽しんでいるのです。
また、おいしさには3つの種類があります。
- 習慣的おいしさ
- 生理的おいしさ
- 精神的おいしさ
です。
習慣的おいしさは、食べなれているものは安心できることから生じるものです。
お酒にも同じことが言えて、いつも飲みなれているお酒が一番おいしく感じます。
生理的おいしさは、例えば喉が乾いているときに水がおいしいように、
体が要求するものがおいしいと感じます。
日本酒はカロリーが高く、甘味と旨味がありますから、
お腹が空いているときや、肉体労働をしたときにおいしく感じます。
精神的おいしさは、自分のイメージと実際の味が合っていればおいしいと感じます。
上級者の方は、日本酒のラベルを見ると、造り方や酒米、酵母などから、
味わいや香りが何となく想像できます。
実際の味にイメージが合っていれば、おいしく感じやすくなります。
また、口コミなどで、みんながおいしいと評価しているお酒は、何となくおいしく思えてしまうことがあります。
これも精神的おいしさの一つだと言えるでしょう。
まとめ
お酒を最大限楽しむ極意は、「口の中を中性に保つ」こと。
そのためには、お水をよく飲むようにしたり、
アルカリ性の食品をおつまみに選びましょう。
それに加えて、3つのおいしさの原理を理解していると、
どんなときに日本酒がおいしく感じられるかが分かります。
ぜひ試してみてください。
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文‐進藤裕司@唎酒師
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