※世界5大ウィスキーの一つ、アメリカン・ウィスキーを今回、興味がある方や、初心者の方にもわかるように、おすすめの銘柄と共に、解説していきたいと思います。
※(スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、アメリカンウイスキー、カナディアンウイスキー、ジャパニーズウイスキー)
ちなみにアメリカン・ウィスキーをすべてバーボンと思っている方いませんか?
実は、合っているようで違うんです。
今回は、そんな雑学も含め、ウィスキーの中でも比較的入りやすい種類でもあり、他のウィスキー同様に奥の深いアメリカン・ウィスキーの魅力を合わせてご参考になればと思います。
【バーボン】とは「アメリカン・ウィスキーの基礎知識」
まずここではアメリカンウィスキーの誕生から、原料、工程など、アメリカン・ウィスキーについて細かく解説していきます。
アメリカン・ウィスキーの誕生
実はアメリカの初代大統領であるジョージワシントンも大統領職を辞めた後の1797年、自分の農場で雇用していたスコットランド人の勧めにより、当時としては最大級のウィスキー蒸溜所を建てています。
元々は18世紀、アメリカのウィスキー造りを始めるために移民してきたスコットランド人、アイルランド人が作るウィスキーに対して課税を決められ、それに反発する暴動(ウィスキー大反乱)が起きました。
その後、暴動は鎮圧しましたが、治めたのが当時のジョージワシントンその人でした。
その後、課税を嫌った造り手は拠点としていた東海岸(ペンシルバニア、メリーランド、ヴァージニア)を離れケンタッキーやテネシーに移住します。
この地で取れるトウモロコシを主な原料に造られたウィスキーが、今のアメリカンウィスキー・バーボンウィスキーの始まりです。
アメリカン・ウィスキーの種類と原料
アメリカンウィスキーの定義はその原料に穀物類を使用しアルコール度数95%(190プルーフ)以下で製造。
後で説明するコーンウィスキー以外は新樽で樽の内面を強い熱で炭化させるために焦がし樽材内部にバニリンといった甘い熟成香味成分を与えるため、また炭化層には未熟成香を減少させ、香味に大きな影響を与えるようバレル(180リットル)と呼ばれるオーク樽で熟成させます。
瓶詰めの際もアルコール度数40%(80※プルーフ)以上ですると決められています。
※プルーフとは昔、火薬にウィスキーをかけてアルコールの強さをその燃焼の具合でプルーフド(証明された)事からプルーフが使われたとされています。
種類と原料
冒頭でも少し触れましたが、アメリカン・ウィスキーと聞くと、すべてバーボン思われる方もいると思います。
実は、原料、州によってその名称も異なり、例をあげると銘柄として有名な「ジャックダニエル」はテネシー州出身のテネシーウィスキーという単独銘柄であり通常バーボンとは呼びません。
※基本的にはバーボンの条件を満たしていればどの州で造っていてもバーボンと名乗れますが、その95%以上がケンタッキー州で生産されています。
そのため一般的にはケンタッキー州で作られたウィスキーをバーボンと呼びます。
- バーボンウィスキー
原料の穀物のうち51%以上のトウモロコシを使用し、ケンタッキー州を中心に生産
- ライウィスキー
原料の穀物のうち51%以上のライ麦を使用して生産
- ホイートウィスキー
原料の穀物のうち51%以上のホイート(小麦)を使用して生産
- モルトウイスキー
原料の穀物のうち51%以上のモルト(大麦麦芽)を使用して生産
- ライモルトウイスキー
原料の穀物のうち51%以上のライモルト(ライ麦麦芽)を使用して生産
- コーンウィスキー
原料の穀物のうち80%以上のトウモロコシを使用して生産
それぞれ、2年以上熟成期間を超えたものはストレートと付けられます。
※テネシー州で作られているジャックダニエルは基本的にはバーボンと同じトウモロコシを51%使用して生産されます。
また、製造過程で荒いフレーバーを除去しやわらかな口あたりにさせる為、サトウカエデという樹木の炭を層にした容器を通してろ過させる工程がジャックダニエルにはあります。
製造と特徴
主にトウモロコシを原料にライ麦、小麦、大麦麦芽を、使用して作られるアメリカンウィスキー。
特にアメリカンウィスキーの中でポピュラーなバーボンを例にその製造と、特徴をご紹介します。
まず、原料は51%以上のトウモロコシ・ライ麦・小麦・大麦などの穀物。
これらを麦芽で糖化、さらに酵母を加えてアルコール発酵させ、香味成分が多く残る連続式蒸留機で、アルコール度数80%(160プルーフ)以下となるように蒸留を行い、バーボンの原酒となる蒸留酒を製造する。
こうして作られた無色透明の蒸留酒を、その後アルコール度数62.5%(125プルーフ)以下に※加水して調整する。
※仕込み水に「ライムストーンウォーター」というこの地、風土ならではのややアルカリ性の硬水を雑菌増殖の防止、また糖化や発酵を進みやすくさせる為、酸性の蒸溜廃液と混ぜて使用。
できた蒸留酒を、内側を焼き焦がしたホワイトオーク製の新樽に詰め熟成を行う。
この熟成によって、焦げた樽の成分がこの間にゆっくりと進行する化学変化によって、バーボンは作られます。
初級者にオススメのバーボン
ここまで、アメリカンウィスキー・バーボンについて解説、ご紹介しました。
とはいっても種類の多いアメリカンウィスキー。
初心者や興味がある方が何を選べばいいのか?迷ってしまいますよね。
ここでは、アメリカン・ウィスキーの入り口として初心者にオススメの銘柄をご紹介します。
ジムビーム
まずはテレビCMでもお馴染みでストレートやロックはもちろん、ソーダやカクテルにと万能でバーボンとは?が詰まって一本。
ライトボディながら最初にくるスパイシーさと後からくるバニラのような甘みや香りは爽やかながら絶妙なバランスがあります。
フォアローゼズ
「4本のバラ」と言うネーミングとそれをモチーフにしたボトルは目を惹くほどお洒落。
ジムビーム同様、ライトボディで軽やかさと華やかでフルーティな香り、独自のレシピに基づいた製法にはまたそのプレミア的存在感があります。
メーカーズマーク
原料にスパイシーさを抑えてソフトになるようにライ麦の代わりに冬小麦を使用。
ソフトで柔らかくもスイートな飲み心地と余韻はその濃い琥珀色も含めプレミアムバーボンと言うにふさわしい一本。
キャップの部分に赤い封蝋がされているお洒落なボトルのメーカーズマークも最近、CMで紹介されていますが、そこではクラフトバーボンという名がフレーズと出てきます。
先ほど説明した赤い封蝋、実は一本一本、手作業で行われているんです。
その職人達の手作りと言うひと手間がその想いと真心を映すかの様にプレミアムバーボンとして多くの飲み手に愛されています。
飲み方もロックや水割り、フレッシュフルーツ系のカクテルはもちろん、ソーダで割ってもその個性やバランスが崩れないのもメーカーズマークとしてその存在感を感じます。
そんなメーカーズマークは初級者から上級者までオススメできる一本です。
まとめ
今回は世界5大ウィスキーの一つである、アメリカン・ウィスキーについて解説しました。
歴史や原料を知ることで、アメリカン・ウィスキーの選び方や自分の好みもみえてきます。
また合わせてご紹介したおすすめのバーボンはほんの一部で、他にもたくさん素晴らしいアメリカンウィスキーは存在します。
ウィスキーと一つに言うと、初級者にはなかなか手が出しづらいイメージのあるジャンルですが、その原料や製法を考えてもウィスキーを全体的に見てアメリカンウィスキー、更にバーボンウィスキーは入りやすくオススメできるウィスキーです。
ご興味がある方のご参考になればと思います。
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