カクテルになくてはならないお酒の種類の一つ『リキュール』。
定番のカシスをはじめ、様々な種類のあるお酒の一つですよね。
今回は、簡単にいまさら聞けない【リキュール】についてご紹介し、その種類や飲み方、選び方など楽しみ方も合わせて解説します。
カクテルを覚えたい方や、初心者など、カクテル入門編としてご参考になればと思います。
リキュールとは
諸説ありますが、ラテン語で「溶かす、溶かし込む」という意味がある『リケファケレ』や「液体」ヲ意味する『リキッド』からきているといわれている【リキュール】。
カクテルを作る際に重要となるお酒であるリキュールとは、簡単に説明すると、蒸留酒(スピリッツ)に薬草やハーブ、果実のフレーバーなどを配合、加えたお酒の事を言います。
また、甘味料や、着色料などを添加することも多く、そのため色鮮やかなリキュールが数多く存在することになります。
このリキュールですが、【混成酒】という分類に属してはいますが、【混成酒】というと、リキュール以外にも該当し、また定義という観点で言うとリキュールには世界各国で解釈が異なります。
なので、リキュールとは?言われた場合、冒頭を説明するのが一番わかりやすく無難な回答となります。
リキュールの歴史
ここでは簡単にリキュールの歴史について解説します。
突き詰めると長くなりますので、詳しく知りたい方は今回参照した書籍で確認していただければと思います。
リキュールの歴史は古く、その製造は中世の錬金術師からと言われています。
『生命の水』、『秘薬』と言われていたお酒【アクア・ヴィテ】の製造から更に薬草を溶かし込み新たに秘薬を造る試みがされたのが始まりとされています。
当時は『お酒』というよりも『薬』として扱われ、そのレシピや製造などは門外不出で、貴重なものだったそうです。
その後、修道院の僧侶に伝わり、広まっていきます。
その後、リキュールの種類は一気に多くなり、王室に。またフルーツや色とりどりのリキュールが造られることで『液体の宝石』として上級階級の貴婦人のあいだに広まります。
1575年にはリキュールメーカーが登場しさらにリキュールは一般的に広まっていきます。
『大航海時代』といわれた16~18世紀ごろには様々な原料となるフルーツやスパイスなどが輸送されるようになり、その種類と共に様々な原料で造られるようになります。
19世紀にはその種類と共にカクテルが登場し『バーテンダー』という職業が定着します。
そのためカクテルには欠かせないものとしてリキュールは更にそのバリエーションと進化を遂げ今に至ります。
リキュールの種類
日本で発売されているだけでも500種類以上と言われている【リキュール】
実はいくつかの分類に分かれており、その系統がわかるだけで、カクテルづくりがもっとわかりやすく方向性がわかります。
ここでご紹介するのは大きく分けて『香草・薬草系』、『果実系』、『種子系』、『特殊系』の4種類。
香草・薬草系
ハーブ系ともいわれるこの分類は、歴史でも登場した『薬』として重宝されてきた分類でもあります。
独特の苦みやハーブ感と甘さがあり、中には鼻が透き通るようなメントールのような爽やかなリキュールなどがあります。
有名なリキュールで言えば、【カンパリ】や【イエガーマイスター】、ミント系のリキュールもここの分類に入ります。
果実系
もっとも一般的に定着し、楽しまれている分類なのが果実系と呼ばれている分類。
バリエーションや種類も多く存在しています。
その中で、さらに、果皮を使ったもの、果実を使ったもの、トロピカルフルーツなど細かな種類があります。
あまりのも有名なカシスをはじめ、キュラソーやマンゴーなど多くのフルーツがリキュールとしてあり、カクテルには欠かせない存在です。
種子系
果実の種や、ナッツ、豆類などを使用して造られるリキュールは種子系という分類に入ります。
濃厚な甘さが特徴のリキュールが多くある分類で、デザートカクテルや食後酒として登場することが多く、ミルクやクリーム系と相性がいいものが多くあります。
杏仁豆腐の香りで有名な【アマレット】や【カルーア】などのコーヒー、カカオなどがこの分類に入ります。
特殊系
上記に属さない分類として『特殊系』という分類があります。
クリーム系と言われるものが多く、卵を使ったリキュール【アドヴォカート】もこの分類のリキュールです。
その他、【ジンジャーワイン】などもこの特殊系といわれてます。
おすすめリキュール5選
ここでは入門編として初心者におすすめのリキュールを5つご紹介します。
使いやすさ、割り方の豊富さや味わいなどを含めて総合的におすすめなリキュールです。
是非ご参考にして頂ければと思います。
カシスリキュール
王道にして定番のリキュールでなじみが多い方もいると思いますが、やはり一番使い勝手がいいのはカシス。
ミルクやなどの甘いカクテルから、果実系のジュース、炭酸やお茶などこの一本で作れるカクテルも多くあります。
ベリー系な味わいに程よい酸味は万人向けのとして多くに愛されています。
▼こちらの記事で詳しく解説
ヒプノティック
淡い水色が綺麗なリキュール【ヒプノティック】はウォッカやブランデーをベースに数種類のフルーツを使って造られたトロピカルなリキュール。
フランス語で「催眠」の意味があるヒプノティックのその淡い魅力的な色合いと甘酸っぱい味わいに好む人も多くいます。
主に炭酸系や、柑橘系のジュースと相性が良く、スパークリングワインを割って作るとお洒落でよりフルーティーな味わいに。
アペロール
香草・薬草系で少しご紹介した『カンパリ』についで有名でおすすめなのがイタリア生まれのアペロール。
カンパリにも似た味わいですが、よりオレンジが強く、またハーブ感が爽やかで甘みもあり、カンパリよりも入りやすいイメージがあります。
カンパリの代用はもちろん柑橘系や炭酸、白ワインとも相性がいい一本。
さっぱり楽しみたい方におすすめなリキュールです。
▼カンパリについてはこちらから
アマレット
香りはまさに杏仁豆腐なリキュールとして有名なリキュール【アマレット】は杏子の種子を使った種子系のリキュール。
ミルクで割ればまさに飲む杏仁豆腐。
またジンジャーエールや柑橘系とも相性が良く甘いデザート系からさっぱり系までと万能なリキュールの一つ。
ウィスキーベースの『ゴッドファーザー』もアマレットを使った有名なカクテル。
▼この記事で詳しく解説
ベイリーズ
クリーム系の定番で欠かせないのがベイリーズ。
アイリッシュウィスキーを使用したクリーム系リキュールはデザートカクテルの副材料としてはもちろん、ミルク割りやお湯割りなど、ほっとする濃厚な甘さが特徴の特殊系リキュール。
コーヒーや紅茶などクリームと相性の良い割り材料と合わせたい一本。
▼クリーム系、特殊系についてはこちらから
まとめ
今回は、今更聞けない【リキュール】について簡単な解説と、飲み方、おすすめをご紹介しました。
歴史も古いリキュールは調べれば調べるほど奥が深く、またその種類の多さに、カクテルはもちろん楽しみ方は無限に広がります。
また分類や、相性などそれぞれ個性のあるリキュール。
これだけ多いリキュール、きっと好みの一本が見つかると思います。
気になった方は好みの材料から、また作りたいカクテルの系統からこの記事をご参考に探して楽しんでみてはいかがでしょうか?
▼今回参考にした書籍はこちら
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